刺し子は、ほかの手芸と圧倒的に違うところがあります。
それってなんだと思いますか?
・・・刺し子をしたことがあるみなさんには簡単にわかりますよね?
表も裏も針目を見せる
ですよね。
刺し子の運針は特別な技法がたくさんあるわけではなく、
とにかくちくちくちくちくしていけばゴールにたどり着ける
敷居の低い、誰でもとっつきやすい手芸だと思いますが、
特に刺し子ふきんや一枚布の風呂敷などを作る時に、表も裏も針目が見えてしまう裏をどう綺麗に糸始末をすれば良いのか、まずここが分からなくて????となる方は多いのではないでしょうか?
これは、小物作りや刺繍や洋服作りにはない、刺し子独自の難しいところだと思います。
私も裁縫は好きで、一通りの手縫いの知識はありましたが、刺し子をはじめたばかりのころ、まさに糸始末の方法が分からなくて、メーカーさんの刺し子ふきんパックについていた「糸始末の方法」を何度も何度も見返してはうーん。。。となり、ネット検索をしてはうーーん。。。となっていました。
すべての刺し子に最適な糸始末の方法はないのか
糸始末の美しい方法について、ズバリこれ!というただ一つの方法はありません。
なぜかというと、柄の線によったり一目刺しか模様刺しかによったり、一枚布仕立てか2枚布仕立てかによったり、あとは刺し手の経験やくせによったり、最適な始末の方法がたくさんあるからだと、刺し子の経験を積む中で知っていきました。
シチュエーション別糸始末のまとめ
そんな糸始末の方法を体系別にまとめてみました
今までこのように体系立てて解説されているものがないので、「わたし調べ」です!
このシチュエーションひとつひとつ全く違うわけではなく、この場合とこの場合は同じだよね、という糸始末もあります。
また、ここはこのようなシチュエーションもあるのではないか?とか、
何か加筆訂正がありましたらぜひアドバイスください🙏
この体系と、シチュエーション別の糸始末をまとめた動画を制作いたしました。
シチュエーション1
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→刺し終わりが刺しはじめに戻る時
例えば、外枠や、一筆書きできる○や四角模様など
峰の上重ね(ふきんの中央に配置された時)
三つ葉 など
※必ず戻ってくるかわからない時は、シチュエーション2のほうが良いかもしれない
シチュエーション2
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→刺しはじめが独立した直線
外枠を縫ったあとの模様の刺しはじめには一番よく使うかもしれません
格子絣、石車(ふきんの中央に模様を配置する時)
紗綾形 などさまざまな模様のふきんの刺し始め
シチュエーション3
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→刺し始めが独立した曲線
・網目
・千鳥
・青海波 など、曲線模様の刺しはじめ
シチュエーション4
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→ふきん中央部での刺し終わり
・つなぎ雷文(らいもん)
・平井十文(ひらいじゅうもん)
・その他、中央部に限らず額縁線近くの端のほうの糸始末にも使えます。(端のほうでの糸始末については額縁線に逃す方法を後述します)
シチュエーション5
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→刺し終わり 額縁に逃す
額縁に近いところが終点になる場合、どんな模様にも使えます。
額縁と違う色で縫ってるー、とか、段染め糸で縫ってるー、っていう場合は一つ前のシチュエーション4のやり方で始末したほうが良いですね。動画は沙綾形(さやがた)。
シチュエーション6
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→模様刺し→刺し子糸使用→直線での糸継ぎ
【刺し子糸を使い、2枚仕立ての布を使い、模様刺しをする場合の糸継ぎ】 途中で糸が足りなくなった場合のどんな模様にも使えます。
強いていえば、継ぐ時は線のあまり角度が変わらない箇所で
まっすぐな線の途中で継ぐのがやりやすいかなと思います。
動画は沙綾形(さやがた)。
いちきゆきこさんのご著書「刺し子のきほん」のやり方をベースに少しだけアレンジさせていただいています😉
継ぐ糸の端を新しい糸で縫いつけて固定しているので強度もあるし、表で重ねていないので綺麗だと思います。
ぜひやってみてね。
シチュエーション7
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→一目刺しの刺し始め
一目刺しの刺しはじめ。
この方法は細糸と共通で使えます。
細糸の場合、生地の間に渡した糸を刺して固定することが難しいかと思われますが
意外に何も考えずこの太糸と同じようにやっても固定できるので大丈夫!
不安な時は3目先からなど、長めに針を入れてみてくださいな^_^
なお、一目刺しの場合は直線の模様の途中で糸を継ぐことはありません。
必ず模様の端に糸始末がくるよう、糸の長さを調節してくださいね。
シチュエーション8
⚫︎2枚仕立て→一目刺しの刺しおわり
一目刺しの刺しおわり
この方法は細糸と共通で使えます。
一目刺しの場合は直線の模様の途中で糸を継ぐことはありません。
必ず模様の端に糸始末がくるよう、糸の長さを調節してくださいね。
シチュエーション9
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→一目刺しのくぐり刺しの刺しはじめ
一目刺しの場合は直線の模様の途中で糸を継ぐことはありません。
というか、くぐり刺しは糸をくぐらせていくので、糸を継ぐことができません。
必ず模様の端に糸始末がくるよう、糸の長さを調節してくださいね。
シチュエーション10
こんな場面で使えます
⚫︎2枚仕立て→一目刺しのくぐり刺しの刺しおわり
一目刺しの場合は直線の模様の途中で糸を継ぐことはありません。
というか、くぐり刺しは糸をくぐらせていくので、糸を継ぐことができません。
必ず模様の端に糸始末がくるよう、糸の長さを調節してくださいね。
シチュエーション11
こんな場面で使えます
⚫︎1枚仕立て→刺し終わりが刺しはじめに戻る時
額縁を刺す時や、円のように刺し始めに戻っていく模様
シチュエーション12
⚫︎1枚仕立て→刺しはじめが独立した直線
さまざまな模様の刺し始め
シチュエーション13
⚫︎1枚仕立て→さまざまな模様の刺しおわり
シチュエーション14
⚫︎1枚仕立て→長い直線の途中部分で糸を継ぐ時
※この体系を作る前に製作した糸始末の動画です。
参考になればと思いシェアさせていただきます。
①ふきんの中ほど、柄の途中で糸が足りなくなった時
段染め糸にも同じ方法を解説しています。
②額縁線の近く(ふきんの端)で糸が足りなくなった時
③一枚布の糸継ぎ。一枚布は、とくに糸始末に工夫がいると思います。
刺し子ふきんはこのシチュエーションを使ってできる(模様刺し編)
一般的なさらし2枚仕立てで刺す場合です。
(シチュエーション別糸始末1、2、4を適用します)
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