古典柄といえばこれ。と日本人が真っ先に思いつく「麻の葉」文様。
麻の葉は成長が早いことからこどもの成長を願い産着などに昔から使われてきました。
厄除けの柄でもあります。
魔除けの意味がある三角形が集まってできた六角形は、より強力な魔除けの力があると考えられました。
今日はその麻の葉を日本人好みにアレンジした「崩れ麻の葉」という模様について。
この模様、葛飾北斎の『北斎模様画譜』の中に出てきます。
北斎が考案したオリジナル図案のようです。
元は『新形小紋帳』という題で小紋染めの図案見本として発行されたものです。
当時は、この見本を見て注文を受け、着物を仕立てていたそうです。
北斎は、デザイナーだったのですね
これが明治に入ってから『北斎模様画譜』と改題されました。以後、『北斎模様画譜(新形小紋帳)』に掲載されている模様は、「北斎模様」という名前で親しまれるようになります。
その中の一つがこの「崩れ麻の葉」です。
この画譜には模様の横に図案の簡単な説明が書かれているのですが
「くづれあさのは
つねのわりにて(常の割にて)
みはからひて(見計らいて)
かくべし(描くべし)」と読めます。
「同じ割合(バランス)で 見計らって(計算しながら) 描いてね」という意味みたいです。
「崩れ麻の葉」の作品
この北斎模様のデザインを刺し子ふきんサイズに落とし込んでデザインしてみました。
なんとなく秋冬の季節感にぴったりの柄。
(あくまで私の主観ですが、麻の葉は青々とした新緑の季節をイメージします。
または、真っ赤な麻の葉模様は紅葉が一面に広がるようなイメージ。)
少し模様が欠けているからでしょうか?
わたし個人的なイメージなのですが、
お月見のしつらえにぴったりな気がしてます。
もちろん一五夜の満月にもいいと思うのですが、一三夜に本当にぴったり。。
一三夜というのは十五夜と合わせてお月見を楽しむ風習で、満月を愛でる十五夜と、
もう少しで「満月」に向かう少し欠けた月を愛でる十三夜と旧暦10月10日の十日夜(とおかんや)の3つをセットにした月見をもって、本来の月見が完成するとされていたらしいです。
少し欠けたもの、不完全なものを風流だと好むのはまさに日本人独特の美的感覚だと思うのですがいかがでしょうか?
ちなみに
2023年から2025年の十三夜の日程は以下のとおりです。
・2023年10月27日
・2024年10月15日
・2025年11月2日
ぜひ一三夜のしつらえとして刺してみてはいかがでしょうか?
「崩れ麻の葉」の刺し方
この模様は直線をダーっと刺していくことができないので、
刺し順を迷路のように考えながら完成させる必要があります。
刺し方の知恵をこちらの記事↓にまとめましたので、ご覧ください。
「崩れ麻の葉」のデータデザイン販売
普通の麻の葉と違って、この模様の印刷図案はどこにも売っていない(2023年現在)ので、作りました!
こちらの販売ページの他にも、
⚫︎自分でダウンロードして印刷してトレースしたい。→データデザイン販売ページあります
⚫︎印刷したものを送ってくれればトレースしたい。→個別対応いたします
⚫︎タペストリー棒だけでも欲しい→販売ページあります
色々なご要望に対応いたしておりますので、購入方法が多岐すぎてめんどくさい。わからない。という方は直接当方にご連絡いただけましたら対応させていただきます。
販売サイト(minnne、creema等)のダイレクトメッセージ機能にて、よろしくお願いいたします。
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