今日は、刺し子糸に関してのお話です
刺し子を始めた時に湧いてきた素朴な疑問。
それは、「刺し子糸って何?」でした 笑
刺し子にはなぜ刺し子糸なのか?
刺しやすい刺し子糸ってどんなのか?
自分なりにまとめてみました。
どんな糸が刺し子糸になるのか?
刺し子糸は、その名の通り、刺し子をする際に使うと良い糸です。
一般的な刺し子糸は、繊維が撚って(よって)あって、一本取りで縫っても美しく見えるように作られている少し太めの艶のない木綿糸です。
とはいえ、色々な糸を使って刺し子を楽しむことができます。
もちろん刺繍糸でも刺し子はできます^^
手まりを作る時に使う手まり用の木綿糸を使うのも好きですし、
手縫糸として使う細い糸(横田ダルマの家庭糸と呼ばれるもの)も好きですし、
絹糸もツヤツヤとした光沢があり独特の高級感がでます。
私としては、とにかく天然繊維の糸を使って刺すのが一番心地良いです。
逆に化学繊維の糸を使うのは私としては好みではありません。。
メーカーさんの一般的な刺繍糸は化学繊維なのです。
なので、刺繍糸を刺し子で使うのでしたら、私は日本のメーカーのマタルボンさんの刺繍糸(綿100パーセント)が好きです。
刺し子糸の比較をしてみた
どの糸で刺すと、どんな感じになるのかな?見てみましょう!
比較したのはこれらの糸です。
ダルマ家庭糸細口
よりが強くツヤのある糸。
NONA手まり糸
糸六 絹糸
最初の写真にはありません。(2023年5月追記)
純絹糸の手縫糸。とても艶めいていて、色味もはんなり。
ダルマ家庭糸と同じぐらいの細さ、艶はこちらのほうが少し強いでしょうか?
とっても柔らかく、刺しあげた感じもダルマ家庭糸よりだいぶやわらかに感じます。
手がガサガサに荒れていると絹糸を触るとひっかかりを感じます。ひっかかって糸のよりがほつれてしまうこともありました。少し扱いには注意が必要です。
熱に強いのでアイロンも大丈夫ですが、お手入れは手洗いがベストかなと思います。
ダルマ家庭糸太口
糸のヨリの強くツヤのある感じは①と変わらないです。
少しだけ細口より存在感があるかな?
色のバリエーションは細口より少ないです。
糸六 絹穴かがり
NONA刺繍糸
2023.5月追記
前述のNONA手まり糸よりも太い、草木染の刺繍糸です。太さは後述のオリムパス刺し子糸細ぐらいです。同じくとても柔らかくて優しい雰囲気の出る糸。
手まり糸を使うと少し細すぎるなあと感じる時や、模様刺しをするならこちらの糸がおすすめです。
オリムパス刺し子糸細
アトリエkazu刺し子糸 細20/4
ダルマ刺し子糸 細
ルシアン刺し子糸hidamari
こちらも一般的な刺し子糸と比べると細めの部類に入ると思います。
よりが強めで、刺しやすい。
このhidamariシリーズは、ソリッド(単色)だけでなく「杢」(まだらに染まったもの)や「点絣」(白にちょんちょん、と色が入ったもの)など、他メーカーさんの段染め糸とはちょっと違う、個性的な糸のラインナップがあるのが魅力的です。
ぐりグら 刺し子糸
ぐりグらさんは刺し子始めたての時に販売サイトを見たことがあったけど、その時は眺めているだけだった。
数年ぶりにのぞいてみたら糸のバリエーションが増えまくっていて
ほんっとうにびっくりした!!浦島太郎の気分になりました。
特にパステル系、くすみ系の微妙な色の糸が多くて太糸のみならず細糸も登場していた。
微妙な色の違いすぎてこの糸が少なくなった時に同じ色の番号どれだったかなーとなりそうなので、わたしのように忘備録を残しておくと安心かもしれません。
細糸はダルマ刺し子糸細より若干太い。ルシアン刺し子糸と同程度。
太糸はアトリエkazuの20/6(太糸)と同程度。
細糸もだけど太糸は特によりが甘くてふわっと仕上がる。太糸は模様刺し向きだと感じました。
しっかりした太糸なので、さらしを通過する時に結構摩擦がかかって力がいります。
私的には細糸のほうが刺しやすかったかな^_^
ぐりグらさんの刺し子糸のカセと糸玉を愛でた後、試しに刺してみた写真をショート動画にしましたのでよろしければご覧ください。
糸六 刺し子糸
オリムパス刺し子糸
アトリエkazu刺し子糸 太20/6
アトリエkazuさんの太糸。オリムパスさんの「刺し子糸」「sashiko thread」と同程度の太さです。
Sashi.Coさんの藍染糸
(2023.5月追記)インド産の天然藍を建て丁寧に手染めをした刺し子糸。かせの状態から糸玉にするだけでも手に藍の染料がうつります。
よりが甘くて太くてやわらかいです。
藍染は天然染料のため、水洗いだけでも滲んでしまったりする。けれど、色々試してみて気持ちよく藍染糸を扱える方法を模索しました。
色落ちの過程もすごく素敵ですよ。
昔の刺し子糸事情
昭和時代の刺し子本を見ると、「3本取りで二重にして刺す」という表記がたくさんあり、最初は???となりました。現代の刺し子糸を3本取りにしたらまず針穴に入らないからです。
刺し子の先輩に後から伺ったところ、昔は今のような刺し子糸がなく、撚(よ)っていない、いわば刺繍糸の状態のものしかなかった。それで、その糸を何本かまとめて、さらに二重にして刺していたと知りました。ちょうど、前述の「NONA」さんの手まり糸や、マタルボン刺繍糸の一本ほの細さです。
そのような方法で私も刺してみたんです。
こちらです。この刺し方のいいところは、刺し上がりがとってもやわらかく生地になじむところです。現代の強く撚ってある刺し子糸だとみっちりとした柄を刺す時にどうしても生地が縮みやすく刺し上げた感じが固くなりやすいですが、そのようなことがありません。角の三つ編みも、結んだ先が繊細に何本も見えるのがかわいいです。
ただ、やはり何本か取りにして刺すので、途中糸を引く時に一本だけ引けていない糸がでたり、ちょっと面倒なところもありますね。
結論。おすすめの刺し子糸は?
結論は、お好きな刺し子糸でご自分が楽しく刺すことができたら万々歳ではないかなと思います!
一応、目安としてはみっしりと糸がつまった細かい図案には細い糸。
模様刺しのような、余白と運針を楽しみたいのなら太い糸。
が、おすすめです。色々試されて、心地良い感じを探していかれるのも楽しいかなと思います。
刺し子糸販売元情報
今回ご紹介した糸の販売元情報をご紹介しますね。
横田ダルマ
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オリムパス製絲
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ルシアン
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糸六
NONA
マタルボン
染織アトリエkazu
Sashi.co
ぐりグら(丸十)
丸十株式会社さんは名古屋に本社がある繊維メーカーさんで、
実は愛知県出身である私にとってとても親近感のわく会社さんです。
ちなみにオリムパスさんもそうですね。
昔、この所在地のあるあたりは長者町繊維街といわれて繊維業が盛んでした。
わたしの育ったまちの近くの愛知県一宮市も繊維業の町でした。
名古屋がなぜ喫茶店文化が栄えたのかというと、繊維工場の音がうるさくて会社では商談がしにくかったため、静かにお話のできる喫茶店が増えたとも言われているんですよ。
愛知県の繊維メーカーさんにはぜひがんばってほしいです。
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