7月23日ごろから、二十四節気の「大暑」です。
一年の中でも、もっとも暑さが厳しくなるころ。少し動くだけでも、身体の力を奪われるような日が続いています。
小暑のころには、
いよいよ夏が始まったのだと感じていたけれど、
大暑になると、
何かを勢いよく始めるというよりも、
この暑さの中で、どのように過ごしていくのかを
考える時期なのかもしれません。
最近の私は、
ある作品を作りたくて、図案作りから取りかかりました。
けれど、最初の一枚はボツ。
二枚目もボツ。
三枚目は、いくつか図案を描いて、
ようやく納得できたつもりでした。
ところが、実際に作品として切り取ってみると、
その切り取り方がどうしても気に入らず、
結局それもボツになりました。
そして今、四枚目に取りかかっています。
作りたいものは見えているはずなのに、
なかなかそこへたどり着けない。
何度やってもうまくいかないことに、
少しずつ焦りや、いらだちも出てきました。
こんなに時間をかけているのに。また最初からなのか。早く形にしたいのに。
そんな気持ちで針や鉛筆を持っていると、自分でも気づかないうちに、答えを急いでしまいます。
でも、大暑という季節は、もしかすると私に、
「無理をするなよ」
と伝えているのかもしれません。
暑いのだから、
いつもと同じように進めなくて当然。
考えがまとまらない日があっても、
手が止まる日があってもいい。
進まないからといって、
何も積み重なっていないわけではありません。
自分が納得できるところまで、
見て、考えて、やり直す。
その時間もすべて、
作品を作ることの中に含まれているのだと思います。
暑さの中で、
無理に速度を上げようとすると、
身体にも気持ちにも力が入ります。
今は、早く完成させることよりも、
焦って決めないことのほうが
大切なのかもしれません。
四枚目で決まるかもしれないし、
まだ決まらないかもしれない。
それでも、今までの三枚が
無駄だったわけではありません。
大暑のころは、
頑張って前へ進む力よりも、
立ち止まりながら、
自分の感覚を見失わないことを
大切にする季節なのかもしれません。
焦りや、いらだちが出てきたときには、
少し手を止めて、
今は無理に進めるときではないのかもしれない、と
考えてみる。
進んでいないように見える時間の中でも、
作品は少しずつ、
自分の中で形を整えている。
そう信じながら、
この夏も、その日の自分に合った速さで
針を動かしていきたいと思います。




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