家族旅行で、福岡の天神に行きました。
福岡は2度目。天神は初めてです!
インスタグラムでみて、ずっと「匠ギャラリー」に行きたいなあと思っていたのが、今回叶いました。

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匠ギャラリーは、福岡の伝統工芸品を展示紹介する場所で、そこで「うなぎの寝床」アクロス福岡店が併設されていて物販も行っています。
店内には、福岡をはじめ地域の工芸品や、地元企業が手がけるブランドの商品が並んでいました。
昔から受け継がれてきた技術を使ったもの。
地域の素材を生かしたもの。
伝統を、今の暮らしの中で使える形に変えたもの。
日本にはまだ、私の知らない素晴らしい工芸やブランドが、たくさんあるのだと思いました。

うなぎの寝床の店舗で「宝島染工」さんというブランドを知りました。
墨染の麻のワンピースがあり、試着したらとてもかわいかったのですが、藍染のものが在庫切れで。
お店の方に「宝島染工」さんHPを教えていただき、直接ネットで注文しました。
ネットを見てたら、麻と同型のコットンシルクのこのワンピースが目にとまり、コットンシルクをポチっとしました。
私は、ただ「日本製だから」「伝統工芸だから」という理由だけで、ものを買いたいわけではありません。
どんな土地で生まれたのか。
どのような素材や技術が使われているのか。
作り手が、何を大切にしているのか。
例えばこの宝島染工さんは縫製の糸も一般的なポリエステルの糸ではなく綿のミシン糸を使っているそうです。(私もものづくりしてるのでわかりますが、綿糸、原価もずっと高いし、ポリ糸よりツべるので割と扱いにくいです)
経年変化で退色したら染め直しもされているそうです。
そうした背景まで知ったうえで、きちんとものづくりに向き合っている人やブランドから、ものを買いたい。
そして、同じように考えている人は、きっと私だけではないと思います。
安さや流行だけではなく、作り手の姿勢に共感し、長く手元に置けるものを選びたい人。
たくさんは買えなくても、本当に心が動いたものに、きちんとお金を払いたいと思う人。
そういう人は、必ずいる。
福岡を歩きながら、そんな熱量を持った人が多い街だと感じました。
正確には、福岡にだけ特別多いというより、そういう人たちが集まり、見える形になっているのかもしれません。
ものづくりの背景まで伝える、編集力のある店。
高感度な商品や学びを扱う百貨店。
工芸やデザインの企画展。
そして、作り手の背景まで知りたいと思うお客さん。
良い店があるから、お客さんが新しいものづくりと出会う。
知ることで興味が深まり、買う人が育つ。
そのお客さんがいるから、また良い店や企画が続いていく。
福岡には、その循環が生まれるだけの「密度」があるように感じました。
鹿児島にも、誠実にものづくりを続けている人はたくさんいます。
その背景を知り、きちんと受け取りたいと思っている人もいます。
ただ、作り手も受け取る人も、いろいろな場所に点在していて、ひとつの市場としては見えにくいのかもしれません。
良いものがあることと、それを必要としている人に届くことは、同じではありません。
作品を並べておくだけでは、作り手が考えていることや、そこに費やした時間までは伝わらないこともあります。
その価値を見つけ、背景ごと伝え、受け取る人とつなぐ。
今回あらためて、店や場所が持つ「編集する力」の大きさを感じました。
それは、自分の仕事について考えることにもつながりました。
私は鹿児島で、刺し子の作品を作っています。
伝統的な模様をそのまま再現するだけではなく、縮尺や配置を変え、模様の均衡や揺らぎを観察しながら、今の自分なりの表現を探しています。
けれど、その違いも、作品を一目見ただけでは伝わらないかもしれません。
どのように考え、なぜこの形にしたのか。
作品だけでなく、言葉や講座を通して伝えることで、初めて受け取ってもらえるものもあるのだと思います。
だから、鹿児島で作っているからといって、届ける場所まで鹿児島だけに限らなくてもいい。
鹿児島で作りながら、東京や福岡、帰省する愛知など、受け取ってくれる人が集まる場所へ、自分から出ていってもいいのかもしれません。
作品も、講座も、きちんと受け取ってくれる人のところへ届けていく。
福岡の旅で見つけたのは、素敵な工芸品だけではありませんでした。
私はどんな人からものを買いたいのか。
そして、自分のものづくりを、どんな人に届けたいのか。
その輪郭が、少し見えた旅になりました。



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