古典柄といえばこれ。と日本人が真っ先に思いつく「麻の葉」文様。
麻の葉は成長が早いことからこどもの成長を願い産着などに昔から使われてきました。
厄除けの柄でもあります。
魔除けの意味がある三角形が集まってできた六角形は、より強力な魔除けの力があると考えられました。
今日はその麻の葉をアレンジした「松川麻の葉」という模様について。
この模様、葛飾北斎の『北斎模様画譜』の中に出てきます。
北斎が考案したオリジナル図案のようです。
元は『新形小紋帳』という題で小紋染めの図案見本として発行されたものです。
当時は、この見本を見て注文を受け、着物を仕立てていたそうです。
北斎は、デザイナーだったのですね
これが明治に入ってから『北斎模様画譜』と改題されました。以後、『北斎模様画譜(新形小紋帳)』に掲載されている模様は、「北斎模様」という名前で親しまれるようになります。
その中の一つがこの「松川麻の葉」です。
松川麻の葉の意味
松川は「松皮菱模様」の「松皮」のことだと思われますが、北斎が【松川】の字をあてたのはオリジナリティを出したのではという考察をされているサイトもありました。
「松皮菱」は、文字通り、松の樹皮を菱形にデザイン化した日本独特の模様。
常緑である「松」は、
樹齢数千年というものもあり、
永遠の若さの象徴として吉祥模様といわれています。
また、寒い冬でも葉が枯れないため、
枯れない強さからお正月の「縁起物」として尊ばれてきました。
さらに厄除け柄でもある麻の葉とかけあわせた
この柄は、お正月飾りにぴったり。
外枠をおめでたい金糸で飾ってみました。
お正月が過ぎたら、ふきんとして使うことができます。
ただ、こちらの金糸は化学繊維のものですので、洗濯には適していません。
洗えたとしても、マイクロプラスチックが海を汚染することが気になりますので、
私がもし使う時にはこの外枠の糸を抜いて使うと思います。
「松川麻の葉」のデータデザイン販売
普通の麻の葉と違って、この模様の印刷図案はどこにも売っていない(2023年現在)ので、作りました!
お正月飾り用として図案販売をさせていただきました。
○図案印刷紙の販売 →→→https://minne.com/items/38168446
○トレース済み図案の販売 →→→準備中です
○金糸のみキットに組み入れる(刺し子糸は手持ちのお好きなお色で)
○刺し方説明書はつける
○データデザイン販売はやらない(ご要望が多ければ考えます)
鋭角に曲がる線が多いので普通の麻の葉よりも刺しごたえがあります。
「松川麻の葉」は前衛的!?
インスタグラムで、この模様を見られたフォロワー様は「和柄にみえない」とご感想いただきました。
わたしはザ・和柄だと思っていたのでびっくりしました。
さらにアンケートをとったところ、
和柄にみえないという方のほうが多くて、すっごく新鮮な視点をいただきました。
みなさんは、どう思われましたか?
ふきんに使用した糸について
外枠に使った糸です。
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模様を刺したのはこちらのこっくり深い赤です。
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