コロナ禍が過ぎ、色々な対面でお客様とお会いできるイベントが増えてきました。
わたしも初の対面での刺し子講座を開いたり、リアルで刺し子がお好きな方と刺し子のお話ができたりとても楽しいし、刺激になります。
そしてそんな中、私という作家自身を好きで興味を持ってくださる貴重なありがたい方に、「なぜ刺し子作家になろうと思ったのですか?きっかけなはんですか?」とご質問をいただくことが増えました。
さらに、ここ1年以上、実質賃金はマイナスの一途をたどり物価高の影響も苦しく、
得意な手仕事で副業をと考える方が増えてきましたね。
そんな方にも少しでも参考になれば。
私が刺し子作家になるまでのこと。
こどものころから手芸が好きでした
写真は、私が小学高学年か中学の時かに作った刺繍入りの巾着です。母の手芸本を見て作りました。
こどもの頃から手芸が好きで編み物、刺繍、小物作りなどやりました。
母も手芸が好きで、母、わたし、妹と3人おそろいのスカートなど色々作ってくれました。
わたしが覚えているのは、ミシンをする母のそばで昼寝をするのが好きだったこと。
昼寝をして起きた時のミシンのカタカタいう音、ミシンの機械の金属の匂い。
そしてこどもの頃から手芸店が好きで、お小遣いをためると手芸店に行き
好きな毛糸を選んだり、大きなビンに入った色とりどりのビーズのつかみどりをすることが大好きでした。
趣味、得意なことでひとに喜んでもらえた
結婚を機に嫁入り道具の一つでミシンを手に入れました。
15年前に甥っ子が生まれた時、スタイや産着を作り、喜んでもらえて嬉しかった。
自分の作ったものを喜んでもらえたことがわたしの原体験というか、成功体験でした。
当時(2010年ごろ)はハンドメイドネット通販業界の創成期。
試しに、親子お揃いのスカートを出してみたらすぐ売れて、ポーチ、デニムをリメイクしたバッグなど色々売れました。
(現在からするとびっくりされるかもしれませんが、ターゲットもブランディングも何も決めなくても写真が下手でも手芸スキルがそこそこなら本当に何の準備もなく売れました)
ただ、色々作る中で、天然素材 の生地に触れるのが好きだったこと、
ベビースタイ が売れた時、お客様に喜んでもらえた時が一番喜びを感じたこと
から徐々にベビースタイ に作品を絞るようになりました。
お友達の赤ちゃんにもベビースタイ を使ってもらって、使い心地を試してもらったりも楽しかった。
でも、本当にその頃は売れたら楽しい、また作れる、ぐらいの気持ち。
2.3枚出して、完売したら、また出して。を繰り返して。
ハンドメイドマーケットサイトもあまりないし、ライバルの作家さんも少ない。
今だから言えるけど、割と簡単なお小遣い稼ぎだと思っていました。
ハンドメイドマーケットブームの中で
そんなこんな、パートタイマーをしながら隙間時間で細々とハンドメイド作品を売っていた私にもとうとう妊娠。
悪阻〜産まれて1年弱ぐらいまで初めての育児に余裕なく。
再開した時には、ハンドメイド業界が盛り上がっていて、、ライバルいっぱい、
可愛いスタイが溢れていて、、全然だめでした。
色々試行錯誤、時には眠れなくなるほど悩みながらでしたが、
またポツポツお客様に買っていただくようになりました。
が、何か他にはない自分だけにしかできない作品、自分が作ることに意味のあるもの。を求めて彷徨っておりました。
そこで刺し子に出会います✨✨
今もこの当時から販売しているハンカチです。
リバティプリント 「フローティングフローラ」ガーゼハンカチ https://minne.com/items/24658281
刺し子に出会う
刺し子は偶然の出会いと、自身の不妊経験があったからでした。
昔から刺繍には知識と経験があったので、
その方面で自分だけにしか表現できない何かを求めてさまよっていたところ、
Instagramで偶然見かけた「刺し子」に一目惚れ。
2019年6月に第一作目作成。
刺し子の猛特訓と、かねてより販売していた20✖️20センチサイズのガーゼハンカチに刺し子を落とし込む作業を始めました。
刺し子は、生地の補強や防寒を目的とするものですが
古くから厄除け、長寿、健康、子孫繁栄、健やかな成長など
様々な刺し方に意味を込めていたらしいです。
昔は赤ちゃんが育つのも難しい中で、健やかな成長を望んで望んで、そういう中で
産着などに願掛けのように刺し子を施してきたのだと知りました。
私が刺し子に惹かれたのは、
その連続した縫い模様の芸術的な美しさだったのですが、
そういう刺し子の歴史に刻まれた人の念に知らずしらず共感していたのかもしれません。
日本人は昔から言葉の霊力や呪力を信じ、言葉というものに重きをおいて生活してきた、その現れが刺し子にもしっかり反映されていることに、刺し子をしながらひしひしと感じます。
自身、長年の不妊と流産の経験から妊娠すること、さらにこどもを持つことは奇跡だし、決して当たり前ではないと身に染みて感じています。
こどもが育つ中でも、病気や怪我がないように、健やかに育つようにいつも願っています。
針目や糸色が見る方の心を癒したり、文様が縁起をかついだり願いを込めていただいたり。
そういうお客様のお声をいただくことにとても喜びを感じ、刺し子に出会えて良かったと思っています。
そしていま、なぜ刺し子か
ここ数年、刺し子がブームになっています。
それは以前までの補修を目的とした昔ながらの藍✖️白のイメージのみだった刺し子が色鮮やかに芸術性をもってよみがえり多くの人を魅了したことが理由だと考えられています。ただ、それだけか?
わたしはただそれだけのために刺し子を伝えたいと思っているのか?
自問自答を繰り返す毎日で、感じてきたこと。
今までわたしは政治に関心がなかったのですが、最近、あらためて日本はおかしいと声をあげてくれている方々の声を聞きやっと周りを見渡してみた時に、今までなんとぼんやり生きてきたことかと気付かされました。
日本人はその優秀さゆえ緩やかに狙われているのだという人もいます。日本人を疎ましく思う人にこう思われているのだというのを聞いたことがあります。
「日本はすごい。
祈りの力がすごい。祈りの力でこの世がひっくりかえる。
だから祈るな」
祈りの力はすごい力を持っているらしいです。
だとすれば、わたしは毎日刺し子をしながら祈っています。
日本が良くなるよう、大事な子どもやその子孫が幸せに暮らせるよう、願いを刺し子にこめています。
そして願いをこめた刺し子作品を世に広めたいと祈っています。
今後は
刺し子がお好きなあなたは、刺し子のどんなところに魅了されていますか?
どんな思いで刺し子をされていますか?
深くは考えていないし、難しいことは考えたくない方もOK (^ ^)
でも、刺し子に惹かれたその心の奥深くには「日本人の心」「祈りの心」がDNAに深く刻まれているかもしれません。
刺し子が好き。
その気持ちを、みなさんと共有したいし、
刺し子を見るのがお好きな方だけではなく、刺し子を刺すのが好き、もっと上手になりたい。学びたい。と考えておられる方の応援をさせていただきたいと思っています。
現在、刺し子キットも各種用意しております。
ぜひお店を覗いてみられてください。
そして、講座もこれから積極的に開いていきたいと思っています。
鹿児島県にお住まいの方や、ご縁のある方にはぜひお会いしたいです。
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