
刺し子好きの皆さんはそれぞれにこだわりのチャコをお使いだと思いますが、今回は私の視点からみたこだわりのチャコペンをご紹介します!
はじめに
なぜ「たかがペン」にこだわるのか?
作品を制作する時、そしてキットを販売する時。私が一番大切にしているのは、手元を離れた後の「美しさ」です。 「図案が消えてしまった」「消したはずの線が浮き出てきた」……そんな悲劇を防ぐために、私が日々実践している使い分けを初公開します。
【多色展開&効率】フリクションファインライナー
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手軽さと効率を上げてくれるのがフリクション(熱で消えるペン)。ハンカチやふきんなど、「制作後に水通し(洗濯)を想定しているもの」に重宝しています。
薄い色は見えにくいので、黄緑や黄色以外をよく使っています。
超ビギナーさんのための刺し子ハンカチキットではこのように下書きしています。

アイロンをかけてもうっすら色が残ってしまった時
お水ではなく「お湯」で洗ってみてください。半乾きの時に再度アイロンをかけると、すっきり落ちることが多いですよ。それでも落ちない場合があれば、酸素系漂白剤でつけおき可能な生地や糸を使用している場合は、酸素系漂白剤を少量溶かしたぬるま湯につけてみてください。
注意点
カラー生地に使うとアイロン後に線が白く残ることがあるため、生地の色によって慎重に判断します。
こうなってしまった時もお湯洗いを試してみてください。
【信頼の維持力】ソーライン(水で消える水性・青)
・青(水で消えるタイプ):お守り袋など「完成後に洗濯を想定していないもの」に使います。
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また、長期保存に強く、消えにくい。「お客様がいつ袋を開けても図案が残っているように」という、キット販売の必需品です。
余談ですが、同じ水で消えるタイプの他メーカーさんのチャコペンは、数ヶ月経つうちにどんどん薄くなって、見えなくなってしまいます。でもソーラインは大丈夫なので、重宝しています。
※紫(自然消滅):線を引いてからすぐに縫い上げる「完成作品」の制作に。数時間から数日で自然に消えるため、スピード勝負の制作にはこれに限ります。
【濃い色の生地用】藍染生地など
藍染などの濃い色の布は、永遠の課題。私は用途に合わせて使い分けています。
方眼や直線には
アイロンで消えるタイプの白いペンがおすすめです。
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わたしはAmazonで見つけた超安価なインクタイプの白ペンを使っています。(刺し子仲間のフォロワーさんに教えてもらいました)
アマゾンのチャコペン、線がくっきり浮き出てコスパも最強ですが、1つの作品で2〜3本使い切ってしまうほどインクの減りが早いのが玉にキズ(笑)。
複雑な模様刺しには
スーパーチャコペーパーと、刺繍トレース用ペンを併用します。
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ただ、チャコペーパーはどうしても線が薄くなりがちで、それだけだと少しストレスも。 チャコペーパーでおおよその線をトレースした後、さらに先ほどの白チャコペンで「濃く書き直す」二段構えで仕上げることも多々あります。このひと手間が、正確な針運びを支えてくれます。
まとめ

道具選びは、作品への愛情と責任です
・洗濯するなら:フリクション
・洗濯しない・長期保管なら:ソーライン(青)
・すぐ仕上げるなら:ソーライン(紫)
・濃い色の布なら:激安白ペン & トレースペンの二段構え
余談 替え時の裏話
最後に、ちょっとした裏話を。 道具を使い分けていると気づくのですが、ペンの「寿命」もメーカーごとに個性的です。
ソーラインのペンは、インクがなくなる時は「スッ」と潔くなくなるので諦めがつくのですが、困るのがフリクション。なくなる寸前になると、だんだん色が薄くなっていくんですよね。また、同じ水で消えるタイプのクロバーのチャコペンも、だんだん色が薄くなっていくタイプ。。
なぜか?

その理由は主に「インクの供給システム」の違いにあるようです。
中綿式か直液式(ローラーボール)かの違い
一般的なペンは、サインペンのように中にインクを染み込ませた「中綿(なかわた)」が入っています。インクが減ってくると、中綿の保持力が勝ってしまい、ペン先にインクがスムーズに移動できなくなります。これが「カスカス」の原因です。構造上、最後まで使い切るのが難しいのですね。
対して、ソーライン(ローラーボールなど)は「直液式」といって、ボールペンのように液体がそのままペン先に流れる仕組み。だからインクがあるうちは出続け、なくなるとパタッと止まる。あの潔さは、この仕組みの違いからきているようです。
「まだ書けるかも」という貧乏性が顔を出して、カスカスになっても二重書きして粘ってしまうのは、私だけの悩みでしょうか(笑)。そんな小さな葛藤も含めて、日々の制作を楽しんでいます。
みなさんもおすすめのチャコペンがあれば、教えてくださいね。


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